音の世界は、時の芸術。生きとし生けるものの営みのように、一瞬たりとも歩を止めず絶えず変化していきます。しかし、変わらないものも存在します ―それは、変奏曲において「主題」とよばれる音の集まりです。曲を通じてその本質を変えず、装いを様々に変化していくさまざまな主題と変奏。今年の上野の森オルガンシリーズでは「変奏曲」を取り上げ、神秘的なヴァリエーション(変奏曲)の世界を、オルガン・チェンバロ・映像で展開します。
前半は、ルネッサンス・バロック時代の舞曲形式によるオスティナートバス主題の代表的な作品、後半は、現代までの幅広い時代から、モノクロから極彩色までのカラフルな変奏ワールドをお届けします。ぜひお聴きください。
廣江 理枝
オルガン 廣江 理枝
オルガニスト。東京藝術大学大学院、ハノーファー音大、シュトゥットガルト音大修了。仏・シャルトルほか各国のコンクールで優勝ののち、欧州を中心に演奏活動。2007年より東京藝術大学オルガン科主任。海外での演奏会・コンクール審査員・マスタークラス講師として招聘も多い。東京藝術大学教授。一社)日本オルガニスト協会理事。
チェンバロ 大塚 直哉
東京藝術大学、アムステルダム音楽院卒業。チェンバロ、クラヴィコード、オルガンの奏者として活発な活動を行うほか、これらの楽器に初めて触れる人たちのワークショップを各地で行っている。東京藝術大学教授、NHK「古楽の楽しみ」案内役。
映像 植村真
美術家、演出家。名古屋造形大学卒業、東京藝術大学美術学部大学院先端藝術表現専攻修了。非劇場空間での舞台演出を主に行い、近年は照明や映像としても国内外の領域を横断したアーティストと協働する。演奏藝術センター教育研究助手。
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